４、バス路線の問題点･改善点

　ここまで運賃・ダイヤと北総線が直接関る、言い換えるならば北総開発鉄道が直接実行できる施策について考えてきました。

　その中で1つの課題として、値下げは必ずしも採算の取れる施策ではなく、これは同じにダイヤを改善して行く事で緩和されこそすれ、基本的に値下げに対して増客する弾性率は1を大幅に下回る状態にある事は間違いありません。その為外部の環境を改善して行く事で、弾性率を1に近づけて行く必要があります。

　ここでは外部の環境を改善して行く施策としてまずバス路線の改善について考えて行きます。

　これは例えば｢通学定期の割引率を拡大して学生の利用を喚起していく｣と言う改善案を実行するとした時、例えば駅から歩きでいける、あるいはバス乗換等で駅からのアクセスが確保されている学校の学生にとっては、朗報であるし、沿線の受験生がこれらの学校を志望校にし易くなるメリットはあるものの、そうでない学校に通う学生にとっては「関係無い(受験生に取っては志望しやすくならない)。」

　フィーダーバス路線の改善とはここで言う「関係無い(受験生に取っては志望しやすくならない)。」を減らしていくことで鉄道にとっては運賃･ダイヤの改善に対する弾性率の向上を目指して行くものです。

　しかしここでは鉄道の時のように改善による効果の評価に関しては直接的な評価手法が無い為行わないません。

　尚ここではバス路線に関して以下のように分類します。

１、本数による分類

表4-1：バス路線の本数分類

本数分類	A	B	C	D	E
平日1日片道辺り	１００本〜	５０本〜	２５本〜	１０本〜	〜１０本

＊:1時間辺りの本数は1日辺りの1／20〜1／15程度

２、バス路線の付加価値による分類

　

表4-2：バス路線の付加価値分類

付加価値分類	4	3	2	1
通る場所	駅、高校などの公共集客施設両方を通る	駅を通る	高校などの公共集客施設を通る	その他

　また改善に関しては増客に関する評価を行わない為「比較的費用をかけずに行う文字通りの改善」と言う視点から以下の路線に関して主に扱います。

ａ，途中どまり路線の延長

ｂ，車庫系統の整理

ｃ，周辺を走る路線の駅への取りこみ

ｄ，自治体などが走らせているコミュニティバスなどとの統合

ａ〜ｃに関して詳しくは4-1の松戸･市川地区で、ｄに関しては4-3のＮＴ地区にて詳しく論じます。

　

４−１、松戸･市川地区のバス路線の問題点･改善点

　

　まず全フィーダー輸送におけるバス路線の割合をＰＴのデータによって比較して見ます。比較対象としては以下の条件から東急田園都市線の梶ヶ谷〜たまプラーザ間を採用しました。ただし田園都市線の開業が1966年、北総線の開業が1991年と25年の差があり開発の進捗状況で大きな差が付いていますが他の地区と比較して最も条件にあっていたためにこの地区としました

　

・山手線乗換ターミナルからの距離（12.2ｋｍ〜17.1ｋｍ、北総は日暮里から13.8〜21.0ｋｍ）

・ＮＴ方面への入口駅に隣接（港北ＮＴ:あざみの、北総は新鎌ヶ谷）

・他線との距離（溝の口〜登戸4.6ｋｍ、溝の口〜武蔵小杉5.2ｋｍ、北総は東松戸〜八柱2.4ｋｍ、東松戸〜7.8ｋｍ）

表41-1：鉄道駅端末手段比較

手段	北総線利用者(人)	同割合（％）	田園都市線利用者(人)	同割合(％)
路線バス・都電	1857	7.2	39592	17.6
乗用車	716	2.8	9224	4.1
原動機付自転車	308	1.2	4033	1.8
自転車	5810	22.5	6095	2.7
徒歩	16665	64.5	162724	72.4
合計	25848	100	224710	100

図41-1：鉄道駅端末手段比較

　

傾向として

・バス利用に関しては北総線利用者は田園都市線利用者に比べて半分以下と少ない。

・乗用車や原動機付自転車に関しては田園都市線利用者がやや多いもののそれほど差が無い。

・自転車に関しては北総線利用者が田園都市線利用者より20％も多い。

・徒歩に関しては両者とも末端交通の半分以上を占めているが、北総線利用者は田園都市線利用者より10％少ない。

　それでは実際のバス路線の情況について見て行きます。

まず市川･松戸市内の矢切〜大町駅間のバス路線について見てみます。各駅発着のバス路線は次のようになっています。

表41-2：矢切〜大町各駅発着バス路線（＊:大町駅〜柏井車庫発〜各駅の路線の本数）

駅名	行先	本数	経由地	分類	行き先駅発本数
矢切	松戸駅	100〜	千葉大学	A-4	100〜
	市川駅	100〜	東京医科歯科大学、国府台高校、千葉商大、和洋女子大、高校	A-4	100〜
北国分	市川駅	31	聖徳学園、市川西高、国府台女子学院	Ｃ-4	109
秋山	松戸駅	65	秋山高校、松戸南高校、千葉大学	Ｂ-４	65
	東松戸病院	28		Ｃ-1	28
	梨香台団地	33		Ｃ-1	33
東松戸	松戸駅	45	聖徳大学	Ｃ-4	71
	本八幡駅	51	昭和学院	B-4	129
	八柱駅	30	八柱霊園	Ｃ-3	42
	紙敷車庫	24		Ｄ-1	24
松飛台	五香駅	43		Ｃ-3	43
	紙敷車庫	18	市立松戸高校	Ｄ-2	18
大町	本八幡駅	64		Ｂ-3	64
	柏井車庫	9	市川北高校	Ｅ-2	41.41*

表41-3：矢切〜大町各駅アクセス可能学校数

駅名	矢切	北国分	秋山	東松戸	松飛台	大町	合計	平均
アクセス可能高校	2	3	2	1	1	1	11	1.8
同大学	4	0	1	1	0	0	6	1
合計	6	3	3	2	1	1	17	2.8

全体的な傾向として

・松戸･市川･本八幡など市川･松戸の市街地にあるＪＲ駅への路線が多い。

・松戸･市川･本八幡などＪＲ駅のバス路線では途中降り返しや分岐する支線などが多いため北総線駅発の本数よりもはるか多くなる。

・また他線駅以外では紙敷･柏井などの車庫への入庫路線が多い。

　続いて北総線と田園都市線を比較します。

表41-4：田園都市線、北総線駅あたりのバス本数の頻度別比較

（1日10本以上のバス路線のみ）

区間	A	B	C	D	合計
大町〜矢切	0.3	0.5	1	0.3	2.2
梶ヶ谷〜たまプラーザ	0.2	1.8	1	1	4

図41-2：田園都市線、北総線駅あたりのバス本数の頻度別比較（1日10本以上のバス路線のみ）

　本数での傾向は

・全体では田園都市線駅のバス路線数が北総線駅の倍近い。

・Ｂランクの路線（1時間あたり3〜5本相当）では田園都市線駅が北総線駅に比べて圧倒的に多いが、Ｃランクの路線（1時間当り1〜3本相当）ではほぼ均衡している。

　続いて付加価値での傾向を見ていきます。

表41-5：田園都市線、北総線駅辺りのバス本数の付加価値別比較（1日10本以上のバス路線のみ）

区間	4	3	2	1	合計
大町〜矢切	1	0.5	0.3	0.3	2.2
梶ヶ谷〜たまプラーザ	1	0.6	1	1.4	4

図41-3：田園都市線、北総線駅あたりのバス本数の付加価値別比較（1日10本以上のバス路線のみ）

　付加価値での傾向は

・他駅への路線（分類3.4）では両線とも差がそれほど無い。

・ただし他駅を全く通らない路線（分類1.2）での差が大きい。

　そしてアンケートを見ていきます。

ここでは地域ごとにアンケートをしたために北総線の利用頻度別に見ていきます。

表41-6：バスに対する改善要望

項目	解答	割合
京成線駅方面へのバス路線（例：〜高塚〜本八幡）の増発・延長	13	20.3
常磐線駅・（松戸市中心部）へのバス路線の増発・延長	13	20.3
新京成線駅方面（例：〜八柱）バス路線の増発	7	10.9
病院や学校など公共施設へのアクセスバスの増発・新規開業	3	4.7
北総線隣接駅からのバス路線（例：〜紙敷車庫〜松飛台）	3	4.7
武蔵野線駅方面へのバス路線（例：〜市川大野）の増発・延長	2	3.1
深夜バス	2	3.1
その他	3	4.7
無解答	18	28.1
合計	64	100

　現状でも多い常磐線、総武線へのバス路線に関する解答が多く、それに新京成線駅へのバス路線に関する解答が続く。また無解答は3割近くバス路線への興味の無さを感じさせます。

　そしてこれまでと同様に解答を分類して考えます。

表41-7：アンケートの解答分類

項目	解答	割合	解答項目
京成線駅方面へのバス路線に関するもの	13	20.3
常磐線駅へのバス路線に関するもの	13	20.3
その他路線･公共施設等へのバス路線に関するもの	15	23.4	新京成線駅方面バス路線の増発、北総線隣接駅からのバス路線、病院や学校など公共施設へのアクセスバスの増発・新規開業、武蔵野線駅方面へのバス路線の増発・延長
その他	5	7.8	深夜バス、空いている道を通って欲しい、使用していない、不満無し
無解答	18	28.1
合計	64	100

表41-8:解答の北総線利用頻度分類

項目	定期利用者	割合	週1回以上	割合	月1回以上	割合	月1回未満	割合	合計	割合
京成線駅方面へのバス路線に関するもの	3	37.5	2	25	3	27.3	5	13.5	13	20.3
常磐線駅へのバス路線に関するもの	1	12.5	3	37.5	1	9.1	8	21.6	13	20.3
その他路線･公共施設等へのバス路線に関するもの	0	0	1	12.5	3	27.3	11	29.7	15	23.4
その他	3	37.5	0	0	0	0	2	5.4	5	7.8
無解答	1	12.5	2	25	4	36.4	11	29.7	18	28.1
合計	8	100	8	100	11	100	37	100	64	100

図41-4:解答の北総線利用頻度分類

　傾向としては定期利用者や週1回以上ではｻﾝﾌﾟﾙ数が10を下回るために参考程度にしかなりませんが

定期利用者:無解答が最も少なく、最も関心が高いのが分かります。その他の高さが目立ちます。これは深夜バスへの解答が多かったためです。またその他路線方面への解答が0で非常に少ない。

週1回以上：常磐線、総武線駅への路線、既存市街地へのアクセス充実に関する解答が多い。

月1回以上：最も無解答が多く関心の低さが伺えます。総武線,常磐線･その他路線方面へのバス路線に関する解答が多い。

月1回未満：その他路線方面へのバス路線に関する解答が多い。

　そしてこれまで見て来た市川･松戸地区のバス路線についてまとめると下のチャートのようになります。

表41-9:市川･松戸地区フィーダー輸送状況に関するチャート

	市川･松戸地区
	北総線のフィーダー交通
	バス･徒歩が少なく自転車が多い。
	↓
	バスをフィーダーとする需要の開拓の余地が大きい。
	↓
	北総線駅発着バス路線の特徴
	路線数が少ない
	高頻度路線の割合が低い
多い路線	←　→	少ない路線
既存市街地駅方面		既存市街地駅以外方面
↑	充実を望む解答	↑
全体･北総線定期客	←　→	潜在顧客
	アンケート結果

　その中で改善の為に必要な事は

・潜在需要は比較的多いのに供給の少なさからそれを取りこめていない。

・そして周辺には車庫系統や途中折り返しなど少し伸ばせば駅発着路線にできる路線も多い。

・そしてアンケート解答では市川･松戸両市中心市街地を走る京成･総武･常磐線駅方面へのバスに関するものが北総線の高頻度利用者を中心に多く、そして新京成線駅など他線駅や公共施設に対する解答が低頻度利用者を中心に多い。

　そして現状で改善に役立てそうな路線としては以下の表の様な路線が挙げられます。

　

表41-10:市川･松戸地区バス路線改善に活用出来そうな既存路線（区間便）

区間	北総口本数	他線口本数	分類	関係する駅
本八幡〜高塚〜東松戸	42	129	ａ	東松戸
八柱〜東松戸･紙敷車庫	30	44	ｂ	東松戸
松戸〜東松戸･紙敷車庫･工業団地	45	77	ｂ	東松戸

表41-11:市川･松戸地区バス路線改善に活用出来そうな既存路線（延長を伴う物）

区間	関係駅	本数	経由地	分類
東松戸〜紙敷車庫	東松戸	24	市立松戸高校	ｂ
松飛台〜紙敷車庫	松飛台	18	市立松戸高校	ｂ
市川〜市川北高校	大町	31	市川北高校、市川大野駅	ｂ
本八幡〜市川北高校・動植物園･大野町4丁目	大町	85	市川北･市川東･市川学園高校、市川大野駅	ｂ
西船橋〜市営霊園	大町	41		ｃ
市川〜国分〜松戸	北国分	38	秋山高校・千葉大学	ｃ
松戸〜聖徳学園	北国分	44	千葉大学	ｃ

　路線の各分類について特徴と注意点を見ていきます。

ａ，途中どまり路線の延長

特徴：実際少なからず需要面での理由で途中折り返しとなっている路線を延長する為、車両や乗務員の運用などが増加します。

注意:少なからず費用増加が生まれる為これに関するフォローが必要になります。バス会社に取っては途中折り返しの設備などを簡略化したり、運用を効率化したりするなどの改善、またケースによっては関係自治体による金銭的なフォローが考えられます。

ｂ，車庫系統の整理

特徴:車庫系統は入出庫による車両･運転手の交代と言う意味合いの為設定されています。

注意:現在の車庫止り路線ではなく直通する路線としての車両交換（あくまで車両だけが変わり運賃面では1本の路線としてサービスを行う）と言う形での運用を行う必要があります。

ｃ，周辺を走る路線の駅への取りこみ

特徴:周辺を走りながら駅に乗りいれ無い路線です。理由としては道路が整備されてなかったり、駅前のバス処理能力が低いからと考えられます。

注意北総線の場合は駅建設時にバスプール（秋山･新鎌ヶ谷を除く）や道路に関して考慮されている駅が多いのでそれほど問題は無いと言えます。

　そして上のアンケート結果などから考えられる改善のポイントは

１、常磐線･総武線駅などの既存市街地地域への路線の強化

・これはアンケート解答では最も大きな部分を占め、また顕在的な都心方面への乗客の確保の為に重要と考えられます。

２、その他の路線などへの強化

・これはアンケート解答では潜在顧客からの解答が多く、また幅広く乗客を集める為に必要と考えられます。

　その上で改善案を作ると以下の様になります。

表41-12：市川･松戸地区バス改善案(青字:増発路線、太字：新設路線)

駅名	行先	本数現状	本数改善	経由地	分類
矢切	松戸駅	100〜	100〜	千葉大学	A-4
	市川駅	100〜	100〜	東京医科歯科大学、国府台高校、千葉商大、和洋女子大、高校	A-4
北国分	市川駅	31	69	聖徳学園、市川西高、国府台女子学院	Ｂ-4
	松戸駅	0	44	千葉大学	Ｃ-4
	聖徳学園	0	44	聖徳学園	Ｃ-2
	大橋〜松戸駅	0	48	秋山高校、千葉大学	Ｃ-4
秋山	松戸駅	65	65	秋山高校、松戸南高校、千葉大学	Ｂ-４
	東松戸病院	28	28		Ｃ-1
	梨香台団地	33	33		Ｃ-1
東松戸	松戸駅	45	77	聖徳大学	Ｂ-4
	本八幡駅	51	129	昭和学院	Ａ-4
	八柱駅	30	44	八柱霊園	Ｃ-3
	松飛台駅	（18）	24	市立松戸高校	Ｄ-4
松飛台	五香駅	43	43		Ｃ-3
	東松戸駅	（18）	24	市立松戸高校	Ｄ-4
大町	本八幡駅	64	74		Ｂ-3
	市川駅	0	31	市川北高校、市川大野駅	Ｃ-4
	西船橋	0	41		Ｃ-3
	市川北高〜本八幡	（9）	85	市川北･市川東･市川学園高校、市川大野駅	Ｂ-4

表41-13：市川･松戸地区バス改善案本数比較

区間	A	B	C	D	合計
大町〜矢切	0.3	0.5	1	0.3	2.2
同改善案	0.5	0.8	1.5	0.3	3.2
梶ヶ谷〜たまプラーザ	0.2	1.8	1	1	4

図41-5：市川･松戸地区バス改善案本数比較

　これを見ると駅あたりで1路線増えまたＡランクＢランクの高頻度路線も増えているのが分かります。

表41-14：市川･松戸地区バス改善案方面比較（青太字:増加）

方面	A	B	C	D	合計
総武現状	1	2	1	0	4
総武改善	2	3	1	0	6
常磐現状	1	1	1	0	3
常磐改善	1	2	1	0	4
その他現状	0	1	2	0	3
その他改善	0	2	2	2	6

　つづいて方面別に診ると総武線方面がやや弱いものの全体的に系統数、特に高頻度の路線が増えているのが分かります。

表41-15：改善後矢切〜大町各駅アクセス可能学校数（青字:改善後増加）

駅名	矢切	北国分	秋山	東松戸	松飛台	大町	合計	平均
アクセス可能高校	2	4	2	2	1	3	14	2.3
同大学	4	1	1	1	0	0	7	1.2
合計	6	5	3	3	1	3	21	3.5
現状合計	6	3	3	2	1	1	17	2.8

　上の表を見るとこの改善案によって１駅辺りのアクセス可能な学校数は０．７増えています。特に新規乗り入れの多い北国分、大町での増加が大きいです。

表41-16：改善効果全体比較

分類	現状	改善	改善効果
駅辺り路線数	2.2	3.2	1.45
同総武線駅方面路線数	0.7	1.0	1.5
同常磐線駅方面路線数	0.5	0.7	1.33
同アクセス可能学校数	2.8	3.5	1.25
同多頻度路線数	0.8	1.3	1.6
同総本数	73.5	210.5	2.86
路線当り本数	33.9	66.5	1.96

　全体で評価してみると総本数は約３倍と劇増している事が分かります。他の分野に関しては必ずしも総本数の様には行きませんが路線当りの本数の増加と言う要素が大きく、頻度が高く気軽に利用出来る路線の増加と言う意味で全体に波及効果が行き渡るものと考えられます。

　

４−２、鎌ヶ谷地区のバス路線の問題点･改善点

４−２−１、鎌ヶ谷地区のバス路線の概要

　続いて鎌ヶ谷地区について見てみましょう。まず北総線に限らず鎌ヶ谷市内各駅について松戸･市川地区同様ＰＴのデータで見て行きましょう。

表421-1：鉄道駅端末手段（鎌ヶ谷市内）

手段	鎌ヶ谷市内駅利用者	同割合（％）	市川･松戸地区割合（％）
路線バス・都電	1257	4.6	7.2
乗用車	777	2.9	2.8
原動機付自転車	335	1.2	1.2
自転車	6954	25.7	22.5
徒歩	17396	64.2	64.5
合計	27104	100	100

　実際バス輸送がそれほど充実していない松戸･市川地区の北総線駅に比べても

・バスの比重が低い

・徒歩の比重はほぼ同様

・自転車の比重は高い

それでは市川･松戸地区同様鎌ヶ谷市内の駅に乗り入れるバス路線について見てみます。

表421-2：鎌ヶ谷市内駅発着バス路線（10本以上の物のみ）

鎌ヶ谷大仏
行き先	本数	分類	行き先	本数	分類
船橋	86	B-3	西白井	28	C-3
西船橋	40	C-4	白井	40	C-4
三咲（船橋）	49	C-3	井草団地	53	Ｂ-1

　鎌ヶ谷市内には北総線の乗り入れる新鎌ヶ谷も含めて6つの駅がありますが、実際1日10本以上のバス路線が乗り入れるのは市南端の鎌ヶ谷大仏のみで乗りいれ路線も白井･船橋両市内の駅に乗り入れる路線がほとんどです。また1箇所でも市内に乗り入れる路線も含めても西船橋駅〜中沢、馬込沢〜鎌ヶ谷グリーンハイツの2路線だけです。

　

４−２−２、バス路線の廃止とコミュニティバス・団地循環ミニバス

　２０００年８月の新京成バスでは路線の再編を伴う大規模な改正が行われました。９９年度に東武野田線新鎌ヶ谷駅の開業で鎌ヶ谷市内の３路線（北総･新京成･東武）の９８年度に武蔵野線東松戸駅の開業で鎌ヶ谷地区の鉄道路線に関るネットワークが完成したことで鎌ヶ谷地区の路線に関してもいくつか廃止されました。

表４２２−１:新京成バス２０００･８／16ダイヤ改正で廃止された路線

路線	経由地
八柱駅〜椚山十字路〜高塚〜東松戸〜八柱駅	くぬぎ山駅、大町駅
船橋駅〜二和道〜初富〜鎌ヶ谷大仏	初富駅・鎌ヶ谷駅・鎌ヶ谷高校

　その為422-1で見て来たような鎌ヶ谷市内のバス路線がほぼ全廃と言った状況になり、そのフォローの意味も含めて2001年4月から市内の主要な施設を巡るコミュニティバス「ききょう」号が走り始めました。

表422-2：鎌ヶ谷市コミュニティバス「ききょう」号概要（運賃は小学生以上100円経由施設は全系統市役所経由）

ルート	運行日数	本数	経由駅	経由施設
A	3日／週	片道6本	新鎌ヶ谷･鎌ヶ谷･鎌ヶ谷大仏	さわやかプラザ・体育館・
B	3日／週	3往復	新鎌ヶ谷･鎌ヶ谷･初富	児童センター・社会福祉センター
C	2日／週	3往復	新鎌ヶ谷･鎌ヶ谷･初富	さわやかプラザ・トレーニングセンター・体育館
D	2日／週	片道6本	新鎌ヶ谷･鎌ヶ谷･北初富･くぬぎ山	体育館・社会福祉センター

　上がその内容です。特徴としては

・上で廃止された路線のフォロー（初富･鎌ヶ谷駅など）

・交通空白地帯への経由（軽井沢地区さわやかプラザ、中沢地区ファイターズタウンなど）

・市役所等の公共施設への経由

・1回乗車100円と言う安い運賃（この地区の初乗り運賃は150〜170円程度）

・本数の少なさ（週２〜３日運行、１日当り６本）

　が挙げられます。これはきっかけとなったのが既存路線バスの廃止への対応であり、また市が予算を計上して運行する為市内の公共交通空白地帯へのシビルミニマムの提供、交通弱者に対する公共施設へのアクセス強化が目的としてあった為と考察されます。

　今年２月の改正道路運送法の施行（詳しくは４−３−２、バス路線の重複と廃止議論）と前後して新京成電鉄バスに２つの新路線が設定されました。

表422-3：新京成バスの新設路線

　上の新規路線の特徴としては

・150円均一と言う分かり易く安い（周辺バスの初乗り運賃は160〜170円）運賃設定

・日中20分毎と言う分かり易く、フリークエンシーの高い本数設定

・ミニバスによる道路が狭隘ながら団地などを抱え比較的需要の見込める地域への路線設定

　１言で言えば、ワンコイン（100円）の運賃やミニバスによる木目細かい路線設定等でいわゆるコミュニティバスの先駆的存在となった武蔵野市の｢ムーバス｣の民間・団地循環路線版と言った存在で、これまで近距離区間の団地輸送と言う分野は今後拡大して行く可能性は大きいと考察されます。

４−２−３、アンケ−ト結果より

その上でアンケートを見て行きます。

表423-1:バス路線に関する改善要望

項目	解答	割合
コミュニティバス｢ききょう｣号の毎日運転・増発	7	18.4
深夜バス	4	10.5
西船橋〜中沢バス路線の北初富駅経由新鎌ヶ谷駅・市役所への延伸	4	10.5
西船橋〜中沢バス路線の鎌ヶ谷駅経由新鎌ヶ谷駅・市役所への延伸	4	10.5
使用していない	3	7.9
六実発着バス路線の新鎌ヶ谷駅・市役所への延伸	2	5.3
下総航空基地発着バス路線の南初富経由新鎌ヶ谷駅・市役所への延伸	2	5.3
その他	6	15.8
無解答	6	15.8
合計	38	100

　特徴としては

・コミュニティバスの強化に関する解答が多い。

・既存のバス路線の延伸に関しては西船橋〜中沢線に関する解答が多い。

・また市川･松戸に比べて深夜バスに関する解答が多い。

・少数意見として既存の路線の案内や駅前までの乗り入れなどソフト面に関する解答が多い。

そしてこれまでと同様に解答を分類して考えます。

表423-2:アンケートの解答分類

項目	解答	割合	解答項目
コミュニティバス･市内循環バスに関する	9	23.7	コミュニティバス｢ききょう｣号の毎日運転・増発、市南部方面循環バスの新設、街中にバスを増やして欲しい
西船橋〜中沢バス路線の延長に関する	8	21.1	西船橋〜中沢バス路線の北初富駅経由新鎌ヶ谷駅・市役所への延伸、西船橋〜中沢バス路線の鎌ヶ谷駅経由新鎌ヶ谷駅・市役所への延伸
深夜バスに関する	5	13.2	深夜バス、三咲方面への深夜バス
六実･下総航空基地･白井方面路線に関する	5	13.2	下総航空基地発着バス路線の南初富経由新鎌ヶ谷駅・市役所への延伸、六実発着バス路線の新鎌ヶ谷駅・市役所への延伸、新鎌ヶ谷〜白井方面路線設定
その他	5	13.2
無解答	6	15.8
合計	38	100

そして市川･松戸地区同様北総線使用頻度ごとの分析を行っていきますが、鎌ヶ谷地区ではサンプル数が少なく週1回以上で5、月1回以上で3ととても分析に耐え得るサンプル数で無いので両者を月1回以上として一緒に分析を行います。

表423-3: 解答の北総線利用頻度分類

項目	定期利用者	割合	月1回以上	割合	月1回未満	割合	合計	割合
コミュニティバス･市内循環バスに関する	3	42.9	2	25	4	17.4	9	23.7
西船橋〜中沢バス路線の延長に関する	0	0	4	50	4	17.4	8	21.1
深夜バスに関する	2	28.6	0	0	3	13.0	5	13.2
六実･下総航空基地･白井方面路線に関する	0	0	0	0	5	21.7	5	13.2
その他	2	28.6	1	12.5	2	8.7	5	13.2
無解答	0	0	1	12.5	5	21.7	6	15.8
合計	7	100	8	100	23	100	38	100

図425-4:解答の北総線利用頻度分類

傾向としては定期利用者や月1回以上ではｻﾝﾌﾟﾙ数が10を下回るために参考程度にしかりませんが

定期利用者:無解答が最も少なく、最も関心が高いのが分かります。コミュニティバス･深夜バス･その他に関する解答が多い。

月1回以上：西船橋〜中沢路線に関する解答が多い。

月1回未満：唯一六実･白井･下総航空基地などの東部･北部方面の強化に関する解答があります。

４−２−４、改善案を考える

　以上をまとめると鎌ヶ谷地区のバス路線は

・全体的にバス路線そのものが少ない。

・そのため末端交通としての自転車の利用が市川･松戸同様多い。

・また鎌ヶ谷市の始めたコミュニティバスは北総線定期利用者を中心にその増発強化を求める解答が多かった。

・また定期利用者では深夜バスなどソフト面の充実を求める解答も多かった。

・また定期利用者以外では鎌ヶ谷市外を走るバス路線の延長を求める解答が多かった。

　これらから見ると大まかな課題としては

・既存路線との整合性（重複する地区はなるべく走らない）をとりつつ、コミュニティバスの整備･強化

・西船橋〜中沢線の新鎌ヶ谷駅・市役所への乗り入れ

・ソフト面の強化

・深夜バスの整備

等が挙げられます。

そして上から考えられる改善のポイントは

１、コミュニティバス強化や既存路線の延長を基本とした市内バス路線の再編成

２、案内の強化や深夜バスなどソフト面の改善

　と言う２点に集約されます。それでは１から見て行きましょう。

１、コミュニティバス強化や既存路線の延長を基本とした市内バス路線の再編成

　アンケート結果から考察した鎌ヶ谷地区のバス路線の改善ポイントを一言で纏めると｢コミュニティバス=市内全体のバス路線｣の強化と言う事になります。しかしコミュニティバスだけで市内全体のバスを強化していくのには予算の問題もあり厳しいと考えられます。その為本論では既存バス路線の延長等である程度改善が可能な地域は改善していき、それで埋まらなかった地域を中心にコミュニティバスの改善を改善した地域から撤退した資源を用いて行うと言う方向で考察して行きます。また既存路線の延長先としては市役所最寄駅であり、３路線の乗り入れるターミナルである新鎌ヶ谷駅、及びその周辺にある市役所の2ヶ所を両方通るとして考えて行きます。それではまず延長が考えられる既存路線から見ていきます。

表424-1: 鎌ヶ谷地区の既存路線

路線	本数	経由地	車両
西船橋〜桐畑・中沢	54	船橋法典高校、船橋西高校、税務大学校	大型
鎌ヶ谷大仏〜井草団地	53		小型
馬込沢〜グリーンハイツ	47		小型
六実〜五香	36	松戸六実高校	小型
佐津間十字路〜高柳〜白井工業団地方面	23	沼南高柳高校	小型

　それでは個々の路線について見ていきます。

・西船橋〜桐畑･中沢、馬込沢〜グリーンハイツ線

表424-2:中沢･グリーンハイツ周辺のコミュニティバス路線

路線	ルート	施設
Ｂ	新鎌ヶ谷駅〜市役所〜鎌ヶ谷駅〜鎌ヶ谷高校〜ファイターズタウン〜中沢〜グリーンハイツ	鎌ヶ谷駅･鎌ヶ谷高校・ファイターズタウン
Ｄ	新鎌ヶ谷駅〜入道台〜北初富駅〜ファイターズタウン	鎌ヶ谷西高校･北初富駅・ファイターズタウン

　まずそれぞれのバス路線の終点である中沢･グリーンハイツ周辺に乗り入れるコミュニティバス路線を見ますと、Ｂルートの新鎌ヶ谷駅〜グリーンハイツ、Ｄルートの新鎌ヶ谷駅〜ファイターズタウン間が浮かび上がってきます。施設の内ファイターズタウンはプロ野球日本ハムファイターズの2軍球場を中心とした施設で2軍とは言えプロ野球の本拠地球場の中では交通アクセスに恵まれず、かつてファンの中では｢交通の便は日本のプロ野球の行われる球場の中では「西の由宇、東の鎌ケ谷」と言われるほどの悪さである。｣と言う意見もありました。その為か現在は東武鎌ヶ谷駅から試合開催時にはシャトルバスが運行され改善されてきたものの、やはり更なる改善が求められることが考察されます。

　その中でそれぞれの路線の延長区間を考えていくと大型車を使用する西船橋〜中沢線の延長に関しては比較的道路事情の良いＤルート、小型車を使用する馬込沢〜グリーンハイツ線に関しては道路事情の悪いＢルートが妥当と本論では考察します。

・六実〜五香･高柳〜白井工業団地方面線

表424-3: 六実周辺のコミュニティバス路線路線

路線	ルート	施設
Ｃ	新鎌ヶ谷駅〜佐津間十字路

　まずこの路線周辺のコミュニティバスを見ると新鎌ヶ谷駅〜佐津間十字路間のＣルートが併行します。またこの区間には新鎌ヶ谷駅に発着する唯一のバス路線である鎌ヶ谷市役所〜白井工業団地〜白井車庫･白井駅のバス路線が併行します。

そして六実駅に発着するバス路線は複雑な系統を特徴とします。

表424-4:六実駅発着バス路線の系統

発	着	本数	発	着	本数
五香駅	六実駅	20	鎌ヶ谷市役所	白井駅	6
	白井工業団地	9		白井車庫	1
	白井車庫	5	高柳駅	白井工業団地	3
	高柳駅	2

表424-5:六実駅関連バス路線の各区間の本数

区間	本数	区間	本数
五香〜六実駅	36	佐津間十字路〜高柳駅	23
鎌ヶ谷市役所〜佐津間十字路	7	高柳駅〜白井工業団地	24

　実際五香駅〜六実駅･鎌ヶ谷市役所〜佐津間十字路〜高柳駅〜白井工業団地〜白井車庫・白井駅と言う系統なのですがもともと松戸駅〜五香駅〜六実駅〜高柳駅〜白井･沼南方面のバス路線だったのが、北総線の開業で鎌ヶ谷市役所発着路線が加わり、現在では最も本数の多い五香駅〜六実駅が中間の住宅地からそれぞれの駅へのアクセスの路線となっている為このような形態となっています。

表424-6:新鎌ヶ谷地区の最近・今後の開発

年度	事象	考察
1999	東武新鎌ヶ谷駅開業	新鎌ヶ谷駅３線乗り入れターミナル化
2004	新鎌ヶ谷駅周辺地区区画整理事業街開き	大型店開業予定
2010	新京成線立体交差完成	新鎌ヶ谷駅周辺機能強化

　現在新鎌ヶ谷駅が北総･新京成･東武の３線乗り入れターミナルとして完成し、周辺の区画整理によって都市機能が高まる事（まちづくり鎌ヶ谷参照）が考えられる事から今後五香〜六実・白井工業団地方面〜新鎌ヶ谷駅方面と再編する事が妥当と考察します。その際佐津間十字路〜新鎌ヶ谷駅間の一部を県道船橋取手線で無く下総航空基地沿いの道路を通る事で、この区間で競合するコミュニティバスの輸送を代替する為に一部を中佐津間などの下総航空基地よりを走る事も必要と考察します。

・鎌ヶ谷大仏〜井草団地

　この路線に関しては現状維持が妥当だと考えられます。またこの路線や馬込沢〜グリーンハイツ線と同様な｢ミニバスによる短距離の住宅地路線」としては鎌ヶ谷大仏〜三井サニーハイツ、北初富〜鎌ヶ谷パークはいつなどが考えられます。

　その上で上の考察による既存路線の再編を行うと

表424-6:鎌ヶ谷地区バス路線再編案

駅名		本数	経由地	分類
新鎌ヶ谷	五香駅	36	松戸六実高校	Ｃ-4
	白井工業団地方面	23	沼南高柳高校	Ｄ-4
	西船橋駅	54	鎌ヶ谷西・船橋法典・船橋西高校、税務大学校、北初富駅、ファイターズタウン、中沢	Ｂ-4
	馬込沢駅	47	鎌ヶ谷高校、ファイターズタウン、グリーンハイツ	Ｃ-4
鎌ヶ谷大仏	井草団地	53		Ｂ-1

表424-7:新鎌ヶ谷駅のアクセス可能学校数

駅名	現状	改善案
アクセス可能高校	1	6
同大学	0	1
合計	1	7

アクセス可能の学校数で比較すると大幅に増えているのが分かります。現状の１校は実は現状でも７本ある新鎌ヶ谷駅〜白井工業団地間の路線バスによるものです。

表424-8:改善案路線とコミュニティバスとの併行区間

ルート	所要時間（片道）	併行区間	その所要時間	差引き	運転日
Ａ	44	新鎌ヶ谷駅〜鎌ヶ谷駅	16	28	日･水･金
Ｂ	56	グリーンハイツ〜市役所	22	34	日･水･金
Ｃ	57	市役所〜鎌ヶ谷駅 市役所〜粟野丸山台	17	40	火・土
Ｄ	56	ファイターズタウン〜鎌ヶ谷駅	40	16	火・土

　またコミュニティバスとの併行区間を見てみると所要時間による比較でほぼ半分となっていて、現在週２〜３日、２ルートづつ計４ルート走っている、コミュニティバスを２ルートにまとめ週５日に纏める事は可能と考察されます。

　

２、案内の強化や深夜バスなどソフト面の改善

　またこれらの路線を延長する際考えておかなくてはならないのはソフト面の対応です。アンケートでの解答から考えられる課題は２つです。

・各駅駅前広場への停留、どんな路線があるかの案内

・深夜バス

　まず前者について見ます。

・各駅駅前広場への停留、どんな路線があるかの案内

表424-9:主な駅の駅周辺バス乗り場状況

駅名	駅前バス停	駅バス乗り場
鎌ヶ谷大仏	○	集中
新鎌ヶ谷	×	集中
六実	○	分散

　まず主な駅の駅前へのバスの乗り入れ状況について見て行きます。

鎌ヶ谷大仏：駅前バスターミナルが整備され、また周辺のバス路線も全てバスターミナルに乗り入れると言う最も理想的な形です。

新鎌ヶ谷：駅前バスターミナルは無くバスに乗るのには駅から離れた国道のバス停に出なければならない、しかしバス停はこの１箇所に集約されます。

六実：駅前バス停がある物の、そこに乗り入れるのは六実〜五香のバス路線のみで五香から六実をスルーする路線は駅入口、新鎌ヶ谷から高柳方面への路線は駅近くの佐津間十字路バス停と路線によってバス停が分かれるだけで無く例えば五香方面へは高柳方面からの直通路線は駅入口、六実駅始発便は駅前バス停と分かれ高柳方面へも駅入口と新鎌ヶ谷方面からの路線の佐津間十字路に分かれ利用者にとっては利用がしづらいと言えます。

　実際使いづらいと言える新鎌ヶ谷、六実について見ていきます。

新鎌ヶ谷

現状の問題点：駅前バスターミナルが無く、電車とバスの乗り継ぎがしづらい

現状の計画：新鎌ヶ谷土地区画整理

考えられる改善：区画整理の計画では交通広場と言う形でバスターミナルが計画されています。これで基本的に現状の問題点は改善されて行きます。ただ位置的に北総･新京成の改札口からやや遠いのでこの方面への改札口と北総及び新京成のこの方面への改札口の設置が求められます。

六実

現状の問題点：駅前バス停があるものの付近のバス路線は乗り場が３箇所に分散している。

現状の計画：六実駅周辺地区再開発事業（松戸市総合計画　第５節　魅力ある都市空間の形成と産業の振興（都市・経済分野））

考えられる改善：再開発に合わせて六実駅に東口とバスターミナルを設置し、周辺のバス路線を全て経由させる事が考えられます。また西口の駅前バス停に関しては五香方面からのバス路線の為に残す事が妥当と考えられます。

　新たなバス路線の設定の際問題となるのが案内の問題です。ここでは案内に関して少し考えて行きます。主なポイントとして以下の事が挙げられます。

・広報、ミニコミ紙等での広告

・駅での案内

　広報、ミニコミ紙等での広告

　アンケートでは｢折りこみチラシによる〜｣と言った解答もあり、より低い費用での広告と言うことでこれは必要だと考えられます。

　駅での案内

　北総線印旛日本医大駅では駅のある印旛村の補助によって各バス路線が走っていて駅員に聞けばそれが分かるものの２００１年１０月から走り始めた本埜村の循環バスについては駅員すら情報が無く、外から来た人間には｢どこでバスに乗るのか｣、｢いつバスが来るのか｣と言った情報が全く分からず、また付近の喫茶店で調べても全く情報がえられませんでした。実際バスの寄る駅の駅員への情報提供、また駅での時刻表の提示等は必要と考えられます。

・深夜バス

表424-10：新鎌ヶ谷発着終電（北総は着時刻、他は発時刻、太字は北総終電から乗り継げないケース）

	都心
北総	0:26
	船橋	柏
東武	0:06	0:27(0:12)
	津田沼	松戸
新京成	24:19	0:44(23:46)

　上は新鎌ヶ谷発着の終電の時刻です。これを見ると北総線最終から乗り継げるケースは新京成松戸方面の区間運転のみでこの列車は新鎌ヶ谷から二つ目のくぬぎ山どまりの為実質使えない。こういった深夜帯不便な鎌ヶ谷地区の鉄道事情の為深夜バスを求める人は多い。しかし鳴り物入りで始まった深夜急行バスでさえ撤退する所が相次いでいる中リスクが大きいといえます。しかしニーズは少なからずあると言えるので何故失敗したかの要因を挙げて見ます。

１、周知徹底が出来なかった

２、運賃の高さ

３、本当に必要な個所から出ていない。

４、バスカードや定期券など既存のソフトとの連携が出来てなかった

この４つが大きな要因だと言えます。

１に関しては現在、時刻はＭＡＴＴや各私鉄の時刻表では見る事が出来ますが、ＹＡＨＯＯ路線等のインターネット時刻検索サービスでは探索出来ない。

２に関しては最低でも2,000円以上と言う料金は確かに深夜都心からタクシーで帰るよりは安い、とは言え都心だったら2,000円出せば漫画喫茶やサウナ･カプセルホテルなど始発を待つ間の時間をつぶせる場所はいくらでもあります。これと比べたら割安感が薄いと言えます。

３、これは２とも多少重複しますが実際深夜こう言ったバスを求めるのは実は途中まで帰れるケースでは無いでしょうか？実際ターミナル駅だったら�Aの様なケースも多いが終電の終点駅ではそれが無いその為タクシーや車を待つ列が長くなるのです。

４、これはバスで帰ると言うインセンティブを働かせると言う意味では非常に有効と言えるのではないでしょうか

　もし深夜バスをやるならばこう言った事に留意する必要があるのではないでしょうか

　

４−３、ＮＴ地区のバス路線の問題点･改善点

４−３−１、ＮＴ地区のバス路線の概要

　市川･松戸同様まずはＰＴのデータから末端の交通機関がどうなっているのか比較します。ここでは比較対象として同じＮＴである多摩（京王よみうりランド〜京王堀之内）･港北（中川〜仲町台）ＮＴの各駅のデータを用います。

表43-1：鉄道駅端末手段比較

手段	千葉ＮＴ	同割合（％）	港北ＮＴ	同割合（％）	多摩ＮＴ	同割合（％）
路線バス・都電	3786	5.7	7232	8.8	36929	20.0
乗用車	5805	8.8	2573	3.1	6917	3.8
原動機付自転車	798	1.2	747	0.9	3263	1.8
自転車	20753	31.3	5039	6.1	14223	7.7
徒歩	32643	49.2	65009	79.0	116738	63.4
合計	66313	100	82271	100	184225	100

図431-1：鉄道駅端末手段比較

　傾向として

・多摩ＮＴはバス路線の割合が高く、その分徒歩がやや低くなっている。

・港北ＮＴは多摩ＮＴと逆にバスが低い分徒歩が8割近くと非常に高くなっている。

・千葉ＮＴはバスが低く徒歩の割合も唯一5割を割っている。その分自転車が3割と非常に高率になり、また乗用車も全体に占める割合に比べると低いが他に比べると3倍近い高率である。

　となります。それでは実際に千葉ＮＴのバス路線を見てみます。

表431-2：ＮＴ駅発着バス路線（1日10本以上の路線のみ）

駅名	行先	本数	経由地	分類	行先発本数	重複
西白井	七次台	20		Ｄ-1		○
	鎌ヶ谷大仏駅	26		Ｃ-3	26	○
白井	木下駅	37	印旛高校	Ｃ-4	12	○
	西船橋駅	39	白井高校、鎌ヶ谷大仏駅	Ｃ-４	40	○
小室	船橋駅	16	東京学館総合技術高校、船橋北高校、三咲駅	Ｄ-4	60	○
	北習志野駅	15	東京学館総合技術高校、古和釜高校	Ｄ-4	74	○
	勝田台駅	11	秀明大学、八千代松蔭･千葉英和･八千代東･八千代高校	Ｄ-4	80	○
ＮＴ中央	木下駅	17	印旛高校	Ｄ-4	18	○
	津田沼駅	19（26）	秀明大学･八千代高校、八千代西高校	Ｄ-4	38	○
	高花	59	東京基督教大学	Ｂ-1		○
	木刈循環	44		Ｃ-1		○
牧の原	滝野循環	46		Ｃ-1		○
	小林駅	22		Ｄ-3	22	○
	西の原循環	49		Ｃ-1		○
日本医大	酒々井駅	11	順天堂大学	Ｄ-4	46	○
	佐倉駅	33		Ｃ-3	36	○
	小林駅	12		Ｄ-3	10	○

表431-3：ＮＴ地区各駅アクセス可能学校数

駅名	西白井	白井	小室	ＮＴ中央	牧の原	日本医大	合計	平均
アクセス可能高校	0	3	7	3	1	0	14	2.3
同大学	0	0	1	4	0	1	6	1
合計	0	3	8	7	1	1	20	3.3

　全体的な傾向として

・Ｄランクの路線が多く各路線の本数の少なさが目立つ。

・そのため自治体が運営するコミュニティバス、学校が委託･運営するスクールバス、企業の通勤用のバスなどが重複して走る事が多い。

・松戸･市川と同様他線に乗り入れる路線で行き先駅で途中降り返しや分岐する支線などが多いため北総線駅発の本数よりもはるか多くなるケースがある。

　続いて港北･多摩ＮＴと比較します。

表431-4：各ＮＴ駅あたりのバス路線の本数別比較（1日10本以上のバス路線のみ）

	〜Ａ	〜Ｂ	〜Ｃ	〜Ｄ	合計
千葉ＮＴ	0	0.2	1	1.6	2.8
多摩ＮＴ	0.3	2.2	2	0.5	5
港北ＮＴ	0.3	1.2	2.5	1	5

図431-2：各ＮＴ駅あたりバス本数の本数別比較（1日10本以上のバス路線のみ）

傾向として

・千葉ＮＴが他の２ＮＴに比べて大きく駅辺りの路線数で劣る。

・多摩ＮＴで最も多いバス路線はＢ、以下港北ではＣ、千葉ではＤとなり、それぞれのＮＴで異なる。

　続いて付加価値を見ていきます。

表431-5：各ＮＴ駅あたりのバス路線の付加価値別比較（1日10本以上のバス路線のみ）

	千葉ＮＴ	多摩ＮＴ	港北ＮＴ
4	1.3	1.5	2.3
3	0.7	1.8	0.4
2	0	0.3	1.8
1	0.8	1.3	0.5
合計	2.8	5	5

図431-3：各ＮＴ駅あたりのバス路線の付加価値別比較（1日10本以上のバス路線のみ）

傾向としては

・他線駅への路線は多摩が多い。とは言え全体では少ない千葉もそれほど劣らない

・しかし他線駅に出ない路線は港北で多く千葉で少ない。

　またもう少し細かく見ていくと隣接駅間のバス路線も少ないと言う特徴もあります。

表431-6：ＮＴ隣接駅へのバス路線

ＮＴ名	路線	路線数	中心駅乗入れ路線数
千葉	無し	0	0
多摩	多摩センター〜永山：Ｃ 　　　　　　〜唐木田〜永山：Ｄ 南大沢〜京王堀之内：Ｃ 稲城〜若葉台：Ｃ	4	2
港北	センター南〜仲町台：Ｂ 　　　　　〜センター北：Ｃ	2	2

　多摩・港北ＮＴで隣接駅からのバス路線がＮＴの中心駅へ隣接駅の駅勢圏内の乗客も含めて運んでくるような形でＮＴの中心駅への人の流れの集中を作り出していると言えます。それに対して千葉ニュータウンではそう言った路線が無くそれが商業集積の分散それに伴う街の魅力の低下を生み出している部分もあると言えます。

４−３−２、バス路線の重複と廃止議論

　千葉NTでは鎌ヶ谷地区と同様に鉄道の開業などを期に路線バスの廃止が相次ぎました。

表432-1:千葉NT地区の主な廃止路線

路線	経由地	関係駅	会社
西白井駅〜冨塚		西白井	新京成
高根木戸駅〜古和釜十字路〜県民の杜〜小室駅	古和釜高校	小室	新京成
鎌ヶ谷大仏駅〜三咲神社前〜小室駅	船橋北高校	小室	新京成
木下駅〜大廻新道〜臼井駅		牧の原	阪東
木下駅〜荒野〜瀬戸〜佐倉駅		日本医大	阪東
木下駅〜小林駅〜本埜役場〜瀬戸〜佐倉駅･仲の台		日本医大	阪東
臼井駅〜瀬戸		日本医大	阪東
勝田台駅〜岩戸〜印旛中学校	八千代東高校、千葉英和･八千代松蔭高校、東京成徳大学	日本医大	東洋
勝田台駅〜武西十字路〜白井中学校	八千代東高校、千葉英和･八千代松蔭高校、東京成徳大学	白井、NT中央	東洋

　千葉ＮＴ地区では鎌ヶ谷と同様に路線バスの廃止等を契機にそのフォローとして各自治体や企業･学校･病院などが様々なバスを走らせています。実際どの様な形があるかと言いますと

・自治体･開発事業者などが交通事業者に委託して路線バスとして走らせる

・自治体が計画して主に主要な公共施設や交通空白地帯などをフォローして循環するコミュニティバス

・その他病院が走らせる通院用バスや学校・企業などが走らせる通勤・通学用のバスなど無料の送迎バス

　と言った形に分けられると考えられます。それでは個々について考えて行きます。

・自治体･開発事業者などが交通事業者に委託して路線バスとして走らせる

表432-2：主な委託路線バス

路線	本数	経由地	運賃	関係団体
六会線	10〜33	佐倉駅〜日本医大駅〜小林駅	村内３００円 小林〜佐倉600円	都市交通 印旛村
宗像線	4〜8	臼井駅〜印西牧の原･日本医大	300円均一	大成交通 印旛村
学園台線	11	日本医大駅〜酒々井駅	300円均一	グリーンバス、印旛村
小林牧場線	22	印西牧の原〜小林駅	200円均一	開発事業者 北総交通
滝野循環	46	印西牧の原〜滝野	160円均一	都市公団 レインボーバス

　　特徴としては

・1度撤退した路線が多いためかタクシー事業者（大成交通･都市交通･北総交通）や分社化した地域バス会社（グリーンバス･レインボーバス）への委託が多い。

・またタクシー事業者や貸しきりバス事業者は基本的に路線バスへの進出は制限されているが、ここでは廃止路線の代替と言うことで自治体が貸しきりバス業者のバスを借りきって路線を設定するという形が取られている。これは定義する法律から21条バスと呼ばれる事が多い。

・運賃体系は均一あるいは二通りと単純化されている

　と行ったことが挙げられます。また自治体が委託するバス路線に比べてディベロッパーが委託して走らせているバス路線（滝野循環･小林牧場線）の方が本数が多かったり終バスが遅かったりするなど利用しやすいケースが多い。特に小林牧場線は本数は1日22本、ラッシュ時は2〜3本／時、日中は1本／時程度であるが終バスが0：35発と遅くまで運行されていて終電の早い小林地区のバスによる交通確保と言う視点から見ても良く出来ています。またこの路線の存在は成田線沿線の住宅地区から北総線利用での都心アクセスと言う需要があると言うことを示していると言う意味でも注目されます。そして印旛村の路線は印旛日本医大駅開業、日本医大北総病院の進出、千葉ＮＴの印旛村の開発地区であるいには野の開発と言った事情に合わせ、村内交通の充実と言った視点でバス路線を整備した所が注目されます。

・自治体が計画して主に主要な公共施設や交通空白地帯などをフォローして循環するコミュニティバス

表432-3：主なコミュニティバス

路線	本数	経由地	運賃	関係団体
六会循環線	4	日本医大駅〜印旛郵便局〜大川岸〜山田川岸〜順大前〜平賀連絡所〜新田台〜境田〜松虫〜日本医大駅	200円均一	印旛村
宗像循環線	6	宗像小プール前〜吉田〜万福寺〜宗像小プール前〜大成交通前〜大廻〜古谷〜日本医大駅〜役場〜城址公園下	200円均一	印旛村
本埜村	7	村役場〜滝野〜荒野〜日本医大駅〜小林駅〜村役場	不明	本埜村
印西Ａ	4	市役所〜木下駅〜白旗道〜木刈中学校〜駅前センター〜原山東街区公園〜草深上〜ふれあい会館〜西の原小学校〜高花３〜高花団地〜駅前センター〜木下駅〜市役所	200円均一	印西市
印西B	4	市役所〜平岡堤防〜プロムナード前〜コミュニティプラザ〜木下駅〜駅前センター〜近隣センター〜白幡道〜木下駅〜市役所	200円均一	印西市
印西Ｃ	4	市役所〜木下東〜ふれあい会館〜西の原小学校〜高花３〜高花団地〜松崎〜武西〜小倉台図書館〜駅前センター〜高花団地〜ふれあい会館〜西の原小学校〜木下東〜市役所	200円均一	印西市
白井Ａ-1	4	白井市役所〜ラポワール〜けやき台・大松・大山口〜荒口利〜七次台〜西白井複合センター〜念仏塚〜市役所	100円均一	白井市
白井Ａ-2	4	白井市役所〜神々廻坂下〜運動公園〜神々廻〜十余一〜桜台〜福祉センター〜宗像神社〜神々廻坂下〜白井市役所	100円均一	白井市
白井Ａ-3	4	市役所〜念仏塚〜清水口〜西白井複合センター〜富士南口〜ジェミニオート北総〜千葉銀行〜ひょうたん〜北総病院〜堀込〜白井駅〜市役所	100円均一	白井市
白井Ｂ-4	4	市役所〜白井保育園〜河原子〜第２工業団地〜工業団地〜渋谷商店街〜第２小学校〜富塚〜保険センター〜市役所	100円均一	白井市
白井Ｂ-5	4	白井市役所〜神々廻坂下〜運動公園〜神々廻〜十余一〜桜台〜福祉センター〜谷田〜堀込〜市役所	100円均一	白井市

　特徴としては

・本数は1日4〜7本と必要最小限の本数である

・運賃は基本的に100〜200円の均一運賃である事が多い

・また自治体が運行している為に沿線やその周辺に駅や役場など主要スポットがあっても他の自治体内である場合立ち寄らないケース（上の六会線の本埜村役場、本埜村での印西牧の原駅、白井市Ａ−2での千葉ＮＴ中央駅･小室駅等）が多い

　全体的に福祉施策としては必要な部分も多いのかもしれないが、交通体系として役立っているのかを考えると疑問に思われる路線が多いと考えられます。

・その他病院が走らせる通院用バスや学校・企業などが走らせる通勤・通学用のバスなど無料の送迎バス

表432-4：その他のバス路線

路線	本数	経由地	関係団体
ビジネスモール	不明	ＮＴ中央駅北口ビジネスモール方面	不明
東京電機大学	不明	印西牧の原〜東京電機大学	東京電機大学
八千代松蔭学院	朝夕	同高校〜小室･ＮＴ中央駅等	八千代松蔭学院
秀明学園大学	4	同学校〜小室駅等	秀明学園大学
神田通信工業、近電サービス	不明	ＮＴ中央駅〜高花方面	同社
セコメディック病院、	6	小室駅〜セコメディック病院等	同病院
印西病院、千葉新都市病院	2〜6	木下〜ＮＴ地区	同病院

　これらの路線は千葉ＮＴ地区のバス交通がこれらの事業者･病院･学校にとって不充分な物と言う判断によって作られた物と考えられ、バス路線の充実の潜在的受益者として考えられます。

　そしてこれらの路線は既存の路線バスと重複する事が多く、また路線バスに比べて基本的に安い運賃体系により既存路線バスの脅威となっている部分があると考察されます。

表432-5：主な重複路線（*:本数不明）

既存バス路線	本数	重複区間	運営事業者
日本医大〜酒々井	11（４）	日本医大〜順大	都市交通（印旛村）
同〜臼井	８（６）	同〜師戸	大成交通（印旛村）
同〜小林	12（7）	日本医大〜小林	本埜村
勝田台〜岩戸	６（６）	岩戸〜吉田	大成交通（印旛村）
牧の原〜臼井	６（６）	大成交通〜岩戸	大成交通（印旛村）
同〜西の原	49（８）	駅〜西の原小	印西市
ＮＴ中央〜高花	59（８）	駅〜高花	印西市･神田通信工業*･きんでんサービス*
同〜木下	17（８・12）	駅〜木下	印西市･千葉新都市病院･印西病院*
同〜木刈	44（８）	駅〜木刈･ビジネスモール	印西市・ビジネスモール企業*
木下〜白井	12（８・2）	木下〜清戸道･白井市役所	印西市・千葉新都市病院
小室〜北習志野･船橋	15・16（6）	小室〜セメコディック病院	セメコディック病院
同〜勝田台	11（4）	勝田台〜秀明大学･八千代松蔭学園	秀明大学・八千代松蔭学園*
白井〜白井車庫	26（８）	白井〜十余一	白井市
白井〜白井工業団地	6（４）	白井〜白井工業団地	白井市
神々廻〜谷田	３（４）	神々廻〜宗像神社	白井市
白井〜鎌ヶ谷大仏	39（4）	白井〜北総病院	白井市
西白井〜七次台	20（4）	駅〜七次台	白井市
西白井〜鎌ヶ谷大仏	26（4）	駅〜富士南口	白井市

　また今年２月の改正道路運送法の施行を受けて不採算バス路線対策の為千葉県が「千葉県バス対策地域協議会」においてその対策を協議しています。そしてＮＴ地区に関係する路線では以下の路線が協議されました。

表432-6：千葉県バス対策地域協議会生活交通維持･確保計画による協議結果

発駅	目的地	協議結果
白井駅	木下駅	国庫補助を受けて現状維持
白井駅	新鎌ヶ谷駅	国庫補助を受けて現状維持
勝田台駅	岩戸	2002年度は国庫補助、以降は継続協議
白井駅	白井車庫	市町村･関係者が継続して協議
白井駅	谷田	市町村･関係者が継続して協議

　どの路線も上の重複のある路線ばかりである事が分かります。また既存のコミュニティバスでも何回か乗車した中では空気を運んでいるようなケースが少なくなく、これだけで利用度が低いと言うのは早計ですが、やはり利用を増やすために路線を見直す必要があり、また新聞各社でも報道された様に秀明大学では新設わずか4年で学部を廃止するなど学校では少子化、自治体ではより一層の効率化が求められるなどバスを走らせる側でもより一層の既存資源の有効活用が求められ、そう言った意味でも再編は必要と考察されます。

４−３−３、アンケ−ト結果より

　これらを踏まえアンケートを見ます。

表433-1:バスに関する改善要望

１１，千葉ニュータウン内のバスで改善して欲しい所は	解答	割合
ＮＴ外方面バス路線の増発・新規開業	20	31.3
ＮＴ中央駅方面へ隣接駅からのバス路線	6	9.4
深夜バス	5	7.8
使用していない	5	7.8
駅をまたぐ系統の増発・新規開業	3	4.7
駅〜ＮＴ方面バス路線の増発・新規開業	3	4.7
その他	11	17.2
無解答	16	25
合計	64	100

傾向としては

・ＮＴ外へのバス路線に対する解答が圧倒的に多い。その他にも北習志野や成田･新鎌ヶ谷など具体的な駅名を明記した類似の解答が見られる。

・ＮＴ中央駅方面へ隣接駅からのバス路線等ＮＴ内のバス路線に関する内容も全体で見れば比較的まとまった数になる。

・無解答が多く、また利用しないと言う意見も含めて考えればバスに関する関心の低さが伺える。

・深夜バスに関しては鎌ヶ谷ほどではないが比較的多い解答となった。

　そしてこれまでと同様に解答を分類して考えて見ます。

表433-2:アンケートの解答分類

項目	解答	割合	解答項目
ＮＴ外方面バス	24	37.5	ＮＴ外方面、新鎌ヶ谷駅乗り入れ、成田発着、北習志野〜ＮＴ中央間バス路線の増発・新規開業
ＮＴ内バス	13	20.3	ＮＴ中央駅方面へ隣接駅からのバス路線、駅をまたぐ系統、駅〜ＮＴ方面バス路線の増発・新規開業、順間系統の改善
深夜バス	6	9.4	深夜バス、乗越し客用深夜バス
無解答	21	32.8	無解答・使用していない
合計	64	100

表433-3: 解答の北総線利用頻度分類

項目	定期利用者	割合	週1回以上	割合	月1回以上	割合	月1回未満	割合	合計	割合
ＮＴ外方面バス	10	35.7	6	50	5	31.3	3	37.5	24	37.5
ＮＴ内バス	6	21.4	2	16.7	2	12.5	3	37.5	13	20.3
深夜バス	4	14.3	0	0	1	6.3	1	12.5	6	9.4
無解答	8	28.6	4	33.3	8	50	1	12.5	21	32.8
合計	28	100	12	100	16	100	8	100	64	100

図433-1: 解答の北総線利用頻度分類

全体の傾向としては

定期利用者:全体の傾向に沿っているが、深夜バスに関する解答が他に比べて高い。

週1回以上：ＮＴ外方面バスへの解答が過半数を超え非常に多い。

月1回以上：最も無解答が多く関心の低さが伺える。全体の傾向に沿っている。

月1回未満：ＮＴ内バスに関する解答が多い。

　

以上をまとめますと

表433-4: ＮＴバス路線傾向

	千葉ＮＴ駅発着バス路線の特徴
その為↓	路線数が少ない	↓その為
企業･自治体･学校･病院	高頻度路線の割合が低い	個人利用者
そのため自治体･学校･病院･企業が併行するバス路線を走らせている	↓ →　　　　　　　　　　　　　　　　← 中には今年のバスに対する規制緩和によって廃止がささやかれる路線もありしかもその路線に対しても自治体による併行バスがある ↓	末端利用としてのバス利用が少ない
	抜本的なバス路線の再編が必要で、再編によるフィーダーバス路線活性化･その事による北総線需要創出の余地は高い
多い路線	←アンケート結果→	少ない路線
他線駅方面		ＮＴ内のみ走る路線
↑		↑
全体･顕在顧客（定期客･週1回以上）	←充実を望む解答→	潜在顧客
↓	アンケート結果
深夜バスの充実	←充実を望む解答→

　

４−3−４、改善案を考える

　これらから求められる改善は改善と言うよりもコミュニティバスや病院などが走らせているバスなども含めた再編と言う大掛かりな物になります。その際にどの様な事を考えて行くのが良いかを見ていきます。また今後の都市整備、道路整備に関しては4-3-5において見ます。

・再編の際に何を考えていくのがよいか

　まずこれらのバスが何故出来たかを考え様これらの路線が出来た理由として

・市内輸送に必ずしも合致しているとは言えない路線バス

・バス路線の撤退等で生じた交通空白地域へのフォロー

　またこれらの路線の特徴として

・安い運賃

・市内（あるいは駅〜目的地）で完結する輸送

・多方向性

　そしてアンケート結果・また現状の分析から

・ＮＴ外の駅へのバス路線の強化

・ＮＴ内隣接駅間のバス路線の強化

と言う課題が浮かびます。これらを踏まえて考えて行くと骨子になるのは

・市内需要を重視した駅を越える直通系統の再編

・ＮＴ中央を中心としたＮＴ内駅間のバス路線の強化

・ＮＴ外駅へのバス路線の強化

・既存路線が押さえていない地域へのフォロー

・比較的低い値段に押さえられている運賃への対応

と言う事になります。

　これらを踏まえて考えなくてはならないのは

・関係者（比較的広域な自治体（千葉ＮＴで言えば印西･白井･八千代･鎌ヶ谷･栄･印旛･本埜の各市町村）･企業･病院などのバスを求める側とバス会社）が連携しての路線計画の作成と費用分担の決定→バスサービスのPFI（民間の資金･ノウハウを活用して公共サービスを効果的･効率的に行う手法）化

・また無料や割引利用の際の証明等取り決め

　と言ったところになります。特に前者に関しては改正道路運送法の施行と言うバス事業の規制緩和がある為に早急に行われなくてはならないことです。

　後者に関しては病院･学校であるならば保険証や学生証などを上手く使って無料（病院や学校が費用は支払う）化することが可能と考察されます。

　具体的なバス再編案

それでは各駅発着路線ごとにバス路線の再編案を考えて行きます。

・西白井駅発着バス路線

　〜鎌ヶ谷大仏線

　この路線は基本的には変化はありませんがコミュニティバスとの統合で本数を4本増やす事が考えられます。30本/日

　〜七次台（〜白井公民館〜白井市役所〜白井駅）

　この路線は引き続き鎌ヶ谷大仏方面への直通という事に加え鎌ヶ谷大仏方面のコミュニティバスとの統合へのフォローとして白井駅方面への延長が考えられます。またこの路線そのものもコミュニティバスとの統合で4本増発が考えられます。24本/日

　〜清水口〜白井市役所〜白井駅

　それでも残るコミュニティバスの空白地域へのフォローの路線です。1日4本程度が考えられます。また市役所への直通のないベリーフィールド方面の路線との直通も考えられます。

・白井駅発着バス路線

　〜西白井方面（西白井駅発着路線参照）

　〜西船橋線

この路線はほぼ変更はありません。コミュニティバスとの統合で本数を4本増やす事が考察されます。43本/日

　〜白井工業団地〜高柳

　この路線は白井工業団地折り返しの延長（白井車庫止りのルート変更含む）とコミュニティバスとの統合で一気に1日26本へ増発が考えられます。

　〜白井車庫（〜十余一〜福祉センター〜桜台〜千葉NT中央駅）

　この路線は白井車庫止り･木下駅行き、そしてコミュニティバスを統合しての路線です。福祉センターを経由させる事でコミュニティバス統合のフォロー、また現状千葉NT駅へ直通しない欠点を解消するべく千葉NT中央駅への直通が考えられます。本数は白井車庫方面の本数にコミュニティバスの本数を加えた41本が妥当と考えられます。

　〜谷田（〜武西十字路〜松崎〜千葉NT中央駅〜木下、福祉センター、運動公園経由）

　この路線は既存の谷田方面への路線に白井市のコミュニティバス、印西市のコミュニティバスを統合させての路線です。本数は7本が考えられます。

・小室駅発着路線

　〜勝田台駅

　この路線は八千代松蔭学院や秀明大学のスクールバスを代替します。本論では基本的に全便を延長することを考察しています。17本/日

　〜三咲、北習志野駅

　これらの路線は基本的には変化はありません。

　〜セコメディック病院〜三咲･北習志野駅

　これらの路線はセコメディック病院止りの路線を延長し、病院のサービスバスを代替します。三咲方面46本/日、北習志野方面34本/日

・千葉ＮＴ中央駅発着路線

　〜白井駅方面（白井駅発着路線参照）

　〜米本団地〜勝田台駅

　現在米本団地どまりになっている路線を八千代松蔭学院や秀明大学のスクールバスを代替の形で秀明大学経由で千葉ＮＴ中央駅へ延伸します。６３本／日

　〜船穂中〜高花（〜高花２〜西の原小〜３丁目１６〜印西牧の原駅）

　現状の高花線と印西牧の原駅からの西の原循環線を直通、そしてコミュニティバスを統合します。また１部は千葉ＮＴ中央駅から木下駅方面へ直通をしコミュニティバスのフォローを行います。６４本/日

　〜八千代緑ヶ丘駅方面

　現状船尾車庫止まりとなっている路線を延長し、また木下〜緑ヶ丘方面への直通を原則取りやめて千葉ＮＴ中央駅発着とします。38本/日

　〜鹿黒〜木下駅

　現状の木下方面の路線とコミュニティバスを統合し増発、またコミュニティバスに対するフォローの為千葉ＮＴ中央発着の各バス路線と直通します。そして木下地区の住宅地区である木下東も経由します。２５本/日

　〜木刈４丁目（〜瀬戸道〜木下駅）、〜木刈循環

　現状の木刈循環線のうち１部を白井車庫〜木下駅廃止のフォローの為木刈４丁目、瀬戸道経由、コミュニティバスとの統合で本数を増やして木下駅に直通２０本/日、またその他は現状通り木刈駅方面の循環線として運行します。３３本/日、また木刈循環線が減った分の桜台方面へのフォローは白井駅方面への路線でフォロー

　〜神野十字路〜東京成徳大学〜上高野工業団地〜勝田台駅

　現在印旛村岩戸方面へ向かう東洋バスの路線を千葉ＮＴ方面へ延長また八千代市循環バス｢グルっと号｣Ｂコースの西半分も統合し、八千代松蔭学院行きのスクールバスも代替します。18本/日

　印西牧の原駅発着路線

　〜千葉ＮＴ中央駅方面（千葉ＮＴ駅発着路線参照）

　〜造谷〜大廻〜印旛村役場〜日本医大病院〜印旛日本医大駅

　印旛村･大成交通の宗像線・宗像循環線をまとめて再編した路線の１つで（残りは印旛日本医大発着路線にて）印西牧の原〜印旛日本医大駅間の路線にしたもの、宗像循環線のフォローとして、造谷・大廻等幹線道路を外れた地域にも直通します。１２本/日

　〜滝野循環

　この路線は現状維持です。４５本/日

　〜小林牧場〜小林駅（〜木下駅）

　現状小林駅行きの路線でコミュニティバスのフォローの為１部木下駅へ直通させます。２２本/日

　〜別所〜木下駅

　コミュニティバスが空白となる地域向けの路線です。４本/日

　〜滝野〜ふれあいプラザ〜本埜村役場〜安食ト抗〜安食駅

　本埜村のコミュニティバスを再編、既存路線で押さえきれない滝野地区〜村役場をフォローし更に印西牧の原駅を経由、またスワンルートのコースも吸収しています。7本/日

　印旛日本医大発着路線

　〜印西牧の原方面（印西牧の原駅発着路線参照）

　〜公津の杜駅方面

　現在甚兵衛渡し止りの路線を六会循環線の通る砂押・松虫・中村、案能橋・村役場･日本医大病院などを経由させて延長します。15本/日

　〜酒々井駅

　現状の六会線と六会循環線を統合し、また六会循環線の通る新田台方面へは1部が経由してフォローします。15本/日

　〜臼井駅

　現状、印西牧の原･印旛日本医大と2つの駅に分かれている発着駅を印旛日本医大に統一して本数を増やします。14本/日

　〜本埜村役場〜小林駅

　現状本埜村役場を通らない小林方面の路線を本埜村役場停車に変更し本埜村のコミュニティバスと統合します。また物木は1部、小林砂田を全体で経由させ、コミュニティバス廃止のフォローします。18本/日

　〜佐倉駅

　基本的には現状維持なのですが六会循環線へのフォローとして大川岸を経由します。33本/日

　〜岩戸〜保品〜病院前〜勝田台駅

　宗像循環線の岩戸方面と八千代市のコミュニティバス「グルっと号」の東半分とを統合します。6本/日

表434-1：ＮＴ駅発着バス路線再編案（1日10本以上の路線のみ）

駅名	行先	本数	経由地	分類
西白井	白井駅	24		Ｄ-3
	鎌ヶ谷大仏駅	30		Ｃ-3
白井	ＮＴ中央駅	41	社会保健大学校	Ｃ-4
	西船橋駅	43	白井高校、鎌ヶ谷大仏駅	Ｃ-４
	高柳駅	26	沼南高柳高校	Ｃ-4
	西白井駅	24		Ｄ-3
小室	船橋駅	16	東京学館総合技術高校、船橋北高校、三咲駅	Ｄ-4
	北習志野駅	15	東京学館総合技術高校、古和釜高校	Ｄ-4
	勝田台駅	17	秀明大学、八千代松蔭･千葉英和･八千代東･八千代高校	Ｄ-4
	三咲駅	46	船橋豊富高校、船橋北高校、セコメディック病院	Ｃ-4
	北習志野駅	34	船橋豊富高校、古和釜高校、セコメディック病院	Ｃ-4
ＮＴ中央	木下駅	25	印旛高校	Ｃ-4
	津田沼駅	38	秀明大学･八千代高校、八千代西高校	Ｃ-4
	牧の原駅	63	東京基督教大学	Ｂ-4
	白井駅	41	社会保健大学校	Ｃ-4
	勝田台駅	18	東京成徳大学・八千代松蔭･千葉英和･八千代東･八千代高校	Ｄ-4
	木下駅	20	木刈4丁目	Ｄ-3
	木刈循環	33		Ｃ-1
	勝田台駅	63	秀明大学、八千代松蔭･千葉英和･八千代東･八千代高校	Ｂ-4
牧の原	滝野循環	46		Ｃ-1
	小林駅	22		Ｄ-3
	西の原循環	49		Ｃ-1
	ＮＴ中央駅	63	東京基督教大学	Ｂ-4
	日本医大駅	12		Ｄ-3
日本医大	酒々井駅	15	順天堂大学	Ｄ-4
	佐倉駅	33		Ｃ-3
	牧の原駅	12		Ｄ-3
	臼井駅	14		Ｄ-3
	公津の杜駅	15		Ｄ-3
	小林駅	18		Ｄ-3

表434-2:改善案実行前後の路線の本数比較

	〜Ａ	〜Ｂ	〜Ｃ	〜Ｄ
千葉ＮＴ	0	0	9	16
改善案後	0	3	16	30

図434-1:改善案実行前後の路線の本数比較

比較的本数の多いＣランク以上の路線を中心の本数が増えている事がわかります。また駅辺りの本数も改善案前の駅辺り３本弱→4本強に増え系統数だけで言えばほかのＮＴに劣らないレベルまで強化されたのが分ります。

表434-3:改善案実行前後の路線の付加価値比較

	〜4	〜3	〜2	〜1
千葉ＮＴ	6	11	11	16
改善案後	16	27	27	30

図434-2：改善案前後の付加価値比較

　付加価値の高い4分類を中心に殆どの路線が駅〜駅間の路線で複数の駅を通らない路線はわずか3路線と言う、路線数だけにとどまらず付加価値も大きく向上します。

表434-4:改善案実行前後の複数駅間バス路線の内容

	〜Ａ	〜Ｂ	〜Ｃ	〜Ｄ
他線行現状	0	0	4	12
改善案後	0	1	9	19
隣接駅現状	0	0	0	0
改善案後	0	2	4	8

表434-5：ＮＴ隣接駅へのバス路線

ＮＴ名	路線	路線数	中心駅乗入れ路線数
千葉	ＮＴ中央〜白井：Ｃ 　　　　〜牧の原：Ｂ 白井〜西白井：Ｄ 日本医大〜牧の原：Ｄ	4	2
多摩	多摩センター〜永山：Ｃ 　　　　　　〜唐木田〜永山：Ｄ 南大沢〜京王堀之内：Ｃ 稲城〜若葉台：Ｃ	4	2
港北	センター南〜仲町台：Ｂ 　　　　　〜センター北：Ｃ	2	2

　付加価値の向上の中身を見ますと、まず他線の駅への路線はＣランク以上の比較的本数の多い路線に9路線と半分が集中し、単純に路線だけで無く路線当たりの本数も増加していることが分かります。また隣接駅同士の路線では、全くなかった物が8路線（駅当り、路線数は正確には4路線）で内半分が千葉ＮＴ中央駅に集中し、他のＮＴに比べても遜色のない陣容となっています。

表434-6：改善案後のＮＴ地区各駅アクセス可能学校数

駅名	西白井	白井	小室	ＮＴ中央	牧の原	日本医大	合計	平均
アクセス可能高校	0	2	8	6	1	0	17	2.8
同大学	0	1	1	5	1	1	9	1.5
合計	0	3	9	11	2	1	26	4.3
現状合計	0	3	8	7	1	1	20	3.3

　アクセス可能な学校数を見ますと、小室〜牧の原を中心に底上げが図られ、全体駅当りの学校数は１校、全体では6校増加しています。

　

４−３−５、今後のＮＴ地区都市整備とバス路線

　また千葉ＮＴ地区では鎌ヶ谷地区と同様今後区画整理などの都市開発や、道路整備なども予定されています。

表435-1：千葉ＮＴの主な道路･開発計画

開発･整備	概要	考え得るバス路線
西白井ベリーフィールド	区画整理	西白井･新鎌ヶ谷〜ベリーフィールド
県道千葉龍ヶ崎線バイパス	道路整備	ＮＴ中央〜布佐平和台・利根フレッシュタウン
県道鎌ヶ谷本埜バイパス	道路整備	印旛日本医大〜安食駅、龍角寺台

　実際ベリーフィールドに関しては今後のバス路線開業をＨＰで予告しています。またバイパスの開業により都心へのアクセスの悪い成田線沿線の団地から比較的アクセスの良い北総線駅へのバス路線が考えられます。これは実際小林駅周辺の団地から印西牧の原駅へのバス路線がある事から考えてのものです。

　それでは各プロジェクトについて見て行きます。

西白井ベリーフィールド

　西白井駅北部の冨塚地区（駅から0.8〜2.5ｋｍ）の区画整理事業です。また先にも書いたようにバス路線の設定が予告されています。そのバス路線について考察します。

　西白井駅〜大山口〜ベリーフィールド（〜さわやかプラザ軽井沢〜新鎌ヶ谷駅）

　ＨＰでは西白井駅の他に新鎌ヶ谷駅への直通が予告されています。西白井駅非経由での延長の可能性も高いのですが基本的に最寄駅である西白井まで距離の短い住宅地路線であるので鎌ヶ谷地区のミニバス路線の様に西白井駅への本数確保とまた住宅地区での木目細かいバス停の設定が必要と考えられます。その為新鎌ヶ谷駅へは基本的に西白井駅を経由した延長あるいは現在鎌ヶ谷市がコミュニティバスを走らせている軽井沢地区を経由した延長が妥当ではないかと考察されます。

県道千葉龍ヶ崎線バイパス

この道路は千葉ＮＴ中央駅と我孫子市の住宅地区である布佐地区、また利根川をはさんだ茨城県利根町などを短絡する道路計画です。ここでは布佐地区の住宅地である布佐平和台や利根町の利根フレッシュタウンからのバス路線が考えられます。現在これらの地域へは布佐駅からバス路線が設定されています。

表435-2：布佐駅発着の主なバス路線（（）内は龍ヶ崎駅･早井方面直通）

方面	本数	事業者
布佐平和台･新木駅	34	阪東自動車
利根フレッシュタウン・龍ヶ崎駅・早井	32（6）	大利根交通・関東鉄道

　これらのバス路線の千葉ＮＴ中央駅への延伸が考えられます。

　

県道鎌ヶ谷本埜線バイパス

この道路は印旛日本医大駅と栄町の酒直台地区を短絡します。

表435-3：龍角寺台発着の主なバス路線（（）内は栄町役場経由）

方面	本数	事業者
成田駅	35	千葉交通
安食駅	33（6）	千葉交通

　酒直台周辺の龍角寺台からは千葉交通の車庫と団地があり、それぞれ安食駅と成田駅へのバス路線が運行されています。安食方面へは安食駅周辺に栄町役場がある為に役場経由のバスが6本走っています。また安食駅周辺も安食台と言う住宅地区なので、この地域にも北総交通の印西牧の原駅〜小林駅方面のバスのような展開が期待出来ると考えられます。

　

　

沿線を中心としたバス情報は

Bus Service Map

千葉＆葛飾路線バス時刻表

鎌ヶ谷市の情報は

街づくりかまがや

千葉ＮＴの最新情報は

月刊千葉ＮＴ

北総線問題の情報は

北総･公団鉄道運賃値下げを実現する会

北総線を始め各地の鉄道に関してレベルの高い論説を展開しています。

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